先日、CEATECに行って参りました。
ほぼ毎年行ってるのですが、あのイベントは開発関係の中の人とかがよくいるので、商品・サービスに対しての「個人的不満点」とか「個人的要望」をナチュラルハイで語りまくる場として楽しく見せて貰ってるんですが、先日の感想をtwitterでTLの彼方に流すのもなぁ、ということで適当に。そして、書きつつ思いついたコトも加筆。

ソニーブースでのアクションカム
マジメに面白そうなモノだったのですが、どうも私の望む「タイムラプス撮影」は出来ない模様。ブースの人とお話ししたところ、日本市場の傾向として"時間の引き延ばし"……いわゆるハイスピード撮影のほうが好まれるようで、たしかに日本のビデオカメラはハイスピード撮影機能充実してるし、その頂点はあのEX-F1だし、たしかにそう。んでもってタイムラプス(微速度撮影)という"時間を縮める"という撮影スタイルは欧米が好むそうです。そーいやNEX-5Rのアプリにタイムラプス入るのは欧米市場狙ってのことか。なお国内で手に入るタイムラプス機能搭載機はEverioだけ。
まぁ、ファーム変更とかで対応して〜……等とお願いを言いつつ、アクションカムを無線LAN経由のスマホで制御するようなスタイルを見せていたのですが「それならカメラ側の操作を極力外して、ほぼ全てを無線LANとAPIで制御する方が面白くないか?API公開すれば"面白い事"をやりたいヤツが勝手にアプリを作って面白いことになる」と進言。その中でもクリエイターが一番欲しそうなのは"無線LANによる絶対時間取得"なんじゃないかな。
これは普通の人はピンとこないと思うけど、複数のカメラの時間軸を揃えるというのは映像制作では凄く大事なこと。それをアクションカムで簡単にできると、運動会が凄く面白くなります。具体的には時間軸を揃えたアクションカムを運動会の会場(トラック)に複数配置して、丸一日撮影(スペック上は2時間くらいしか撮れないらしいが)。この撮影データをまるまるBDにぶち込んでマルチアングルで再生できると「運動会公式ビデオ」とか作れるわけですね。いまどきなら顔認識も出来るのでそれはそれで楽しそう。他には単純にカメラを並列に二つ並べてしまえば6万円(予想価格3万くらいだそうで)でパンフォーカスの3Dカメラが造れてしまったり、ちょっと豪勢に円弧状に30台も並べてしまえば100万円で"マトリックスのあのシーン"が撮影できるカメラを造れる。
世の中面白いモノがでてきましたねぇ。

週刊アスキーブース
こちらでは電子書籍などがあったわけですが、今年後半はGoogle・Amazonが参戦して電子書籍が花盛りになりそうですが、やはり収益スタイルは書籍単位で購入ってのが定番。そこで、雑誌や専門書という書籍単位で買うのがビミョーに憚られる?本に対しての課金システムとして"時間課金どうよ?"ってお話ししてきました。
漫画雑誌なら作品毎に時間で料金を徴収、一定額になった場合は"購入"と見なすという二段階定額方式。ASCIIさんからは「ページ課金も面白いね。技術書で見たいところだけに課金できる」という発想もありました。書籍単体ではなく、そこから細分化されたコンテンツやページで課金すると、商業作家的にはどのくらい読まれたか以上に、読むのにどのくらい時間を掛けたか、ページ残留率(特定ページだけの人気が解る)が解ってアンケートのような受動的なリサーチでは得られない、本からの視点での評価といういままでにはなかったような気がするデータが得られそうです。
さらに課金のスタイルで「事前課金」でシステムを組んでおくと……読みたい本を読んでいると突然画面がブラックアウトして課金画面が出てくる、という「展望台の望遠鏡システム」が組めて小金を何回もつぎこむというモバゲー的課金が組めそうで意外とえげつないなーって思ったw
それと、自分が"電子書籍に足りないモノ……積みの提案もしてきました。だいたい本を一杯読むヒトは"積む"わけですよ。それが電子書籍の本棚はどうしてみんな小奇麗なマガジンラックとかオサレな画面を出してしまうのか。電子書籍を読むスタイルとして、まず出版社の公式ストアなどで読みたい本をひたすら"積む"ことから初めてはどうかと(作家・作品で自動で積まれると余計おもしろそうだ)。積まれた本を見て義務感で読まなくちゃという追い込み、そして積まれた本を目で見ることによる所有の充実感、これが物理的な本の醍醐味のひとつではないだろうか。もちろん、この"積み"の裏では出版社から暗号化された書籍のデータがローカルデバイスにダウンロードされ、読むときは読書アプリで時間・ページ課金で読む。これなら絶版も恐くないし(積んであるから)、出版社的には顧客の潜在興味を探ることも出来る。
あとは小金ばっかり稼いでもアレなので、ASCII・メディアワークスらしく"ラノベ・コミカライズ・映像作品"のパックを割引価格で売ってみるのもまた一興。どうせ出版社にアカウント登録するから全巻購入特典とかを製造するときの見込みが凄くわかりやすくなりそうでおもしろい。
だからといって旧作は絶版でも無い限り電子書籍で出しても誰も見向きしないから、新作で勝負かけて欲しいなぁ。すっごいバクチだけど。

Jコミは作者にお布施できるシステムがあるそうですが、電子書籍でもこの"お布施"システムは導入するべきだと思う。なにせ趣味趣向が激しく細分化されてしまった現代では"デカく稼ぐ"為には握手券を封入するとか、購入特典が複数あって開梱するまで解らなくするとか、複数回の視聴でグッズが貰えるとか、毎週ラストの映像が変わる映画とか(これは斬新wタイバニ!あんただよ!)とか、いろいろガンバってるけど、個人・少人数制作のものならば直接"お布施"が出来るのが一番効率がいいような。
昔なら大金持ちが芸術家のパトロンとしていたけれど、今はだいぶ富の分配やクリエイターの増加が進んでるわけですから、好きな作品に対しての対価・布施のシステムは今後のコンテンツ産業に於いては必須の機能だと確信してます。
あと、この日の晩飯で話を聞いたのですが、いまのライブスタイルが凄く様変わりしてる模様。引き合いにガンダムUCをだしますが、上映会で上映したコンテンツを"その場で"売るというシステムがそれなりに成功していまして、これをライブステージに適用できるシステムが開発されて大評判になってるとか。
流れとしてライブのプログラムが終わってアンコールが行われているときに、バックヤードで録音しておいたライブプログラムをCD-Rに焼き、アンコールが終わってホールから出ると"目の前にいまやったライブのCDが積まれて売られている"という、ライブ好きにはたまらんシステムだそうで。これやられたら俺買うわ(笑)

さて話戻してCEATEC
KDDIブースで図らずもバカバカしいシステムが公開されてました。その名も"掌紋認証システム"。掌をスマホで撮影しての生体認証なんですがICSのフェイスアンロックと同様、掌の写真で簡単にハック可能だそうで、ジェスチャーを入れればそれよりはマシになりそうですが、スマホなんだからNFC搭載の指輪でもつけて二重のセキュリティを入れた方がいいと思うのね……日曜日の朝っぱらのアレのように(笑:しかも音声認識もはいるぜw)

開発自体は仮面ライダーウィザードよりは前からやってるわけで、こういう時に開発担当者に「仮面ライダーウィーザード、御覧になってます?」って聞いたら「……えっ?」って回答が(笑:やはり見てなかったかw)
これ、絶対「オトナのウィザードライバー」としてアプリで連携したら、超クールで馬鹿馬鹿しいけど凄いセキュリティシステムになるとおもうんだけど……その前にウィザードライバーアプリだよなw